デジタル変革(DX)を学ぶ

2025.12.03 09:00

サードウェーブの「PCサブスクリプションサービス」
機種変更できる柔軟性と手厚いサポート体制を両立

 AIやクラウド、リモートワークの普及など、業務環境の変化によりPCに求められるスペックは年々高まっている。従来の「購入」や「リース」「レンタル」だけでは、こうした変化に柔軟に対応することが難しくなりつつある。こうした中で、サードウェーブが展開するのが「PCサブスクリプションサービス」だ。導入から12カ月以降であれば自由に機種変更できる柔軟性と、メーカー直営ならではの手厚いサポート体制を両立する同サービスの誕生背景や特徴、導入効果などについて、サードウェーブ 法人事業統括本部 法人営業本部の南雲顕拓氏に話を聞いた。

中小企業を中心に高まるPC運用負荷とスペック要件のギャップ

 中小企業におけるPC調達や運用の現場では、ここ数年で明確な変化が見られる。業務ソリューションや周辺システムが要求するPCスペックが全体的に上昇しており、それに伴い市場価格も上がっている。加えて、半導体不足の影響などで納期が長期化。一部パーツが入手しづらい状況が見られるなど、調達そのものに時間や労力がかかるケースも少なくない。さらにメーカーや機種の選択肢が多様化したことで、「どのPCが自社のどの業務に最も適しているのか」といった判断も難しくなっている。

 
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法人事業統括本部 法人営業本部
南雲顕拓氏

 南雲氏は「お客様からは、AIや最新ソフトウェアの導入で要求スペックが上がり、従来モデルでは業務に支障をきたすケースがあるという声が多く寄せられている」と語る。

 人材面でも課題は深刻だ。多くの中小企業では、PCの調達や運用管理を総務担当者が兼任しており、専門知識や工数の確保が難しい状況にある。このため「専任の情報システム担当者がいない企業も多く、PC管理や更新のタイミングを見極めるのが難しい」や「限られた予算の中で最新環境を維持するのは厳しい」といった声も根強い。

 さらに、コロナ禍を経てWeb会議やリモートワークが急速に広がり、求められるPCのパフォーマンスは一段と高まった。Windows 11への移行に伴い必要スペックが上がったことも負担の一因である。「セキュリティー対策の強化やOSアップデートなど、リスクヘッジの観点からも高い処理性能が求められている。最新状態を維持すること自体が、企業にとって大きな負担になっている」(南雲氏)のが現状だ。

短期サイクル化する市場ニーズに応える「サブスクモデル」

 サードウェーブがPCサブスクリプションサービスを立ち上げた背景には、このような市場環境の変化がある。南雲氏によれば、昨今はレンタルやリースといった月額制サービスが広く普及しており、企業側も「所有から利用へ」という考え方を徐々に受け入れられつつある傾向にあるという。「これまでPCは4年以上使い続けるケースが一般的だったが、AIや業務アプリケーションの高度化により、より高いスペックを求める動きが早まっている。結果として、買い替えや更新のサイクルが以前よりも短くなってきている」とも指摘する。

 そうした状況を踏まえサードウェーブが進めるのが、「早いサイクルでPCをより効果的に使える仕組み」を実現するための“PCサブスクリプション”という新しい提供形態だ。「リースやレンタルのように長期間使い続ける前提ではなく、企業ごとの運用環境に合わせて柔軟に入れ替えられる仕組みが必要だと考えた」(南雲氏)。

 他のサービスとの大きな違いとして、12カ月以上利用すれば、いつでも解約や機種変更が可能な柔軟性が挙げられる。サードウェーブが得意とするハイスペックPCの取り扱いも強みとなった。「レンタルや他社のサブスクではハイスペックPCが少ない中、当社はあらゆるスペックのPCの提供が可能だ。用途に応じてゲーミングPCブランド『GALLERIA(ガレリア)』も提供しており、開発・設計・映像制作など幅広い業種で注目を集めている」と南雲氏は差別化ポイントを強調する。

柔軟な入れ替えと安心サポートで、“使い続けやすさ”を実現

 サードウェーブのPCサブスクリプションサービスについて南雲氏は「最新機種を使いたい、より高いスペックに上げたい、といった要望に合わせて、任意のタイミングで機種変更が可能だ」と話す。これにより、急速に変化する業務環境やプロジェクトの要件に応じて、最適なパフォーマンスを確保することができる。

 構成カスタマイズも自由度が高い。ストレージ容量やメモリーなど、業務内容に合わせたスペック構成を選択でき、部門ごとの利用状況やアプリケーション要件に最適化した導入が可能となっている。「お客様の業務に合った仕様で提供することで、ムダのない投資を実現できる」(南雲氏)。

 運用面のサポートも充実している。PCに不具合が発生した際は専用窓口に連絡するだけで、サポート担当者が対応方法を案内し、必要に応じて代替機を迅速に手配する。例えば「水をこぼした」や「落として壊れた」といった物損も保証対象となり、購入よりも手厚いサポートを受けられる点が特徴だ。

 納品形態も柔軟で、企業への一括納品だけでなく、スケジュールに合わせた分納や個人宅への直送にも対応する。南雲氏は「コロナ禍以降は在宅勤務が定着し、個人宅への納品ニーズも増えている。本社への一括納品が難しいケースでも柔軟に対応している」と説明する。

 料金は月額定額制で、3年程度利用すると購入金額に近づく設定となっている。レンタルやリースのように解約金が発生する仕組みではないため、プロジェクト終了時に解約や機種変更ができる点も大きなメリットだ。「最新機種を無駄なく使い続けられるのがサブスクの魅力だ」(南雲氏)。

 
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常に最新機種を導入したい顧客ニーズに柔軟に対応する

リースやレンタルにはない柔軟性とコスト効率で最適な運用を支援

 リースやレンタルといった既存の調達モデルに比べて、コストと運用の両面で柔軟な選択ができるサードウェーブのPCサブスクリプションサービスについて、南雲氏は「最近ではレンタルからサブスクに切り替えるお客様が増えている」とみる。2年以上使うと修理が発生したり、スペックが古くなったりするため、予想より早いタイミングで入れ替えが必要になるケースが多いというのが主な理由だ。この点、「サブスクであれば、PC運用サイクルの短期化にも対応しやすく、結果的にコストを抑えられる」ということだ。

 サードウェーブでは、単にサブスクを提案するだけでなく、顧客の運用方針や今後の利用計画を丁寧にヒアリングしたうえで、最適な契約形態を提案している。「最短1カ月からの短期利用ならレンタルを、4年以上の長期利用が想定される場合は購入やリースを提案することもある。お客様の利用スタイルに応じて切り分けることで、最適なコストバランスを実現している」と南雲氏は話す。

 IT部門にとっての大きなメリットは、月額定額制による予算計画の立てやすさだ。年間コストを見込みやすく、突発的な支出リスクを軽減できるほか、繁忙期に合わせた機種入れ替えのスケジュール調整もしやすい。「定額サービスのため、毎年の予算を確実に計上できるし、更新やメンテナンスのタイミングを調整することで、担当者の負担を軽減できる」(南雲氏)。

 さらに、サードウェーブはPCメーカーとして、導入からサポートまでをワンストップで提供できる体制を整えている。販売代理店を介さずメーカーと直接やり取りできるからこそ、対応スピードや柔軟性が高いのも強みだ。南雲氏は「不具合対応や導入時のご相談など、窓口が一つに集約されているため、担当者の工数削減にもつながる。製品情報もメーカーから直接得られるので、より的確な提案が可能になる」と話す。

導入企業で進むリプレース最適化と業務負荷の軽減

 こうした特徴やサービスの優位性により、サードウェーブのPCサブスクリプションサービスは多くの導入企業から高い評価を得ている。特に、開発や映像制作などハイスペックPCを必要とする現場での反響が大きいようだ。

 南雲氏は「グラフィックボードに依存する業務では、ソフトウェアのアップデートや新機能を追加するたびに、より高性能なPCが求められる。これまで数十万円のPCを購入するには社内稟議が必要で、2年など短いライフサイクルでの買い替えは難しかった」と語る。そうした企業にとって、サブスク型の柔軟な入れ替えモデルは大きなメリットとなる。また、情シス部門が新入社員分のPC準備に集中できるようになり、キッティング作業の工数削減につながったという声も寄せられているという。

 実際、映像制作を手掛ける企業では、常に複数台の高性能PCをそろえる必要があったが、従来の購入モデルでは高額な初期費用が課題だった。しかし、PCサブスクリプションサービスを導入したことで、12カ月以上利用すれば最新モデルに入れ替えができるようになり、コスト負担を抑えながら性能の陳腐化を防ぐ運用が実現したという。

 一方で、インサイドセールスのアウトソーシングサービスを提供している企業では、これまで3年レンタルでPCを運用していたが、期間中に機器トラブルがあっても交換できず、特に年度末の3月には入れ替えと新入社員向けのセットアップ作業が重なり、IT部門の負荷が大きかった。それがPCサブスクリプションサービス導入後は12カ月以降の自由な入れ替えが可能になり、繁忙期を避けた計画的な更新が可能となったのである。

変化の激しい時代に“最適なPC運用”という新たな選択を

 最後に南雲氏は、「近年はソリューションやAI関連業務の拡大により、PCに求められるスペックが大きく上がっている。これまでのように4~5年同じPCを使い続ける時代から、より短いサイクルで周囲の環境に合わせた最適なスペックを選ぶ時代へと変わりつつある」と話す。「当社は国内生産のオーダーメイドPCを提供するメーカーとして、グラフィックボード搭載のハイスペックモデルからエントリーモデルまで幅広いラインアップを展開しており、お客様おひとりおひとりのご要望に合わせた柔軟なカスタマイズをできることが強みだ」(南雲氏)。

 その上で、中小企業の経営層やDX推進担当者に向けて、「企業としても、購入・リース・レンタルに加えてサブスクという新しいPC調達の選択肢を加え、運用の最適化を検討していただければありがたい」とし、「今後もお客様の課題に合わせ、最適な形態で貢献していきたい」とメッセージを送る。

 
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