インタラクティブなデジタルコンテンツ制作を得意とするenigmaは、高性能な最新GPUを搭載したデスクトップPCやノートPCの導入に、サードウェーブのPCサブスクリプションを活用している。業務の性質上、ハイスペックなマシンを定期的に刷新する必要があるため、PCを購入するのではなく、サブスクリプションの形式で導入することで、初期投資を抑制しつつ必要な機材の導入が可能となり、コンテンツの機能を制限したりチューニングしたりする必要がなく、満足のいく制作環境を実現したという。
同社で代表取締役社長およびアーティスティックディレクターを務める松山周平氏に、PCサブスクリプションの活用に至った背景と、デジタルコンテンツのプロフェッショナルが得られるメリットについて聞いた。
課題
・小規模な企業が高性能なGPUを搭載した高価なPCを一度に何台も購入するのは困難
・新しいGPUの登場に合わせて迅速に最新機種を導入したい
ソリューション
・PCサブスクリプションの活用で、最新のGPU搭載のビジネスプロフェッショナル向け高性能デスクトップPCやノートPCを月額課金で利用できるので複数台の導入が可能
・12カ月以上利用すれば最新機種に更新できるので、いつでも最新機種を利用できる
経済価値を超え、「1万年残るもの」を創る
――最初に会社の紹介をお願いします。
私自身はデジタルコンテンツ制作に約10年関わっており、クリエイターとして没入型(イマーシブ)の体験ができるコンテンツを数多く企画・制作してきました。2025年よりenigmaに移籍しました。当社は、そこからデジタルクリエイティブに本格的に取り組み始めています。私は代表を務めていますが、どちらかというとクリエイターアーティストとしての活動が主になります。
企業理念として「1万年残るものを作る」をミッションに掲げています。株式会社は売り上げや利益が目標になることが多いと思いますが、当社はクリエイター、アーティストの会社として、経済価値を高くすることよりは社会に長く残るものの制作を目指したいと考えています。それはピラミッドのような具体的な物かもしれないし、制作に向き合う心構えのような概念を継承できるように残していくのかもしれません。
当社の特徴は受託制作だけではなく、主体的に企画に入り込んでやるべきことの設計から制作まで行うことです。また映像制作だけではなくアプリケーションまで作るような、テクノロジーに強いコンテンツを得意としています。中でもリアルタイムコンテンツを多く手がけており、同じ映像を繰り返すのではなく、その時々の要素や偶然性を取り入れて、毎回異なる映像表現を生み出すコンテンツを得意としています。

松山周平
代表取締役社長 アーティスティックディレクター
高価な高性能デスクトップPCの調達が容易
――PCサブスクリプションは前職の時から利用されていたということですが、それ以前はどのようにPCを調達されていましたか。
PCサブスクリプション利用以前は購入していました。当社のようなコンテンツ制作業務は高性能なデスクトップPCが必要です。しかも性能を最も左右するGPUは、約1年半で更新されます。そうなると当然コンテンツも高度化したくなるので、同じPCを3年使い続けるのは正直辛いです。とはいえ、高性能デスクトップPCは1台100万円近くします。案件によっては、かなりの台数が必要になるケースもあり、その調達は課題でした。
その課題に対し、当時一緒に仕事をしていたパートナーから、サードウェーブのPCサブスクリプションを紹介されました。これなら初期費用を抑えて導入でき、12カ月使えば最新モデルに更新することもできます。これは良いと思い採用しました。
――課題は導入によって解決しましたか。
はい。購入と異なり月額利用料金を支払えば良いので、導入が容易になり、経営やキャッシュフローの面でも助かっています。契約も費用もわかりやすく、リースのように満了時期を気にする必要がないのも良いですね。ハイスペックな高性能デスクトップPCは高価なため、いきなり5台買いますというわけにはいきません。年次のキャッシュフローを見ながらタイミングを考える必要があります。それを月割りできるので、小規模な組織には助かります。今後人が増えていきますが、増員する度に高性能PCは必要になります。予算や管理の問題で導入時期を調整する必要がなく、1台ずつ導入できるのもメリットです。
われわれのようなクリエイターはゲーミングPCの派手な筐体にあまり興味がなく、あくまでもスペック重視です。ノートPCなら重さやディスプレイの種類など他の選定要因もありますが、高性能デスクトップPCはスペック、価格、サポートくらいしかありません。そのためブランドのこだわりはなく、そのサポートの3要素を比較し、セールなどのタイミングに合わせてさまざまなメーカーの製品を購入してきました。
しかし、PCサブスクリプションにしてからは、他社製品と比較する必要がなくなりました。日本のCG制作は少人数の組織がほとんどなので、そういう会社に向いていると思います。
※PCサブスクリプションサービスの利用には取引審査があります。取引審査の結果次第では、サービスのご利用をお断りする場合があります。

スペックが表現の限界を決める
「入れたかった機能」を諦めないための制作環境とは
――利用状況やメリットを教えてください。
現在PCサブスクリプションで利用している高性能デスクトップPCは、「raytrek 4CZ49」(※1)3台、「raytrek 4CZ59」(※2)1台の計4台、個人用のゲーミングノートPCが「GALLERIA ZL9R-57T-6」2台です。高性能デスクトップPCはデジタルコンテンツの制作に使っています。イベントなどでリアルタイムコンテンツを再生するために持ち出すこともあります。
※1:NVIDIA GeForce RTX 4090搭載デスクトップPC。後継はNVIDIA GeForce RTX 5090搭載の「THIRDWAVE BL-C9K59A-02B」
※2:NVIDIA GeForce RTX 5090搭載のデスクトップPC。現「THIRDWAVE BL-C9K59A-02B」
――ハイスペックなビジネスプロフェッショナル向け高性能デスクトップPCを利用する制作面での効果にはどのようなものがありますか。
スペックが高ければ高いほど、われわれが頑張らなくても良くなります。スペックが足りないと、動作を軽くするためにコンテンツをチューニングしなければなりません。本当は入れたかった機能を削らなければならなくなる可能性もあります。
例えば、最高性能のPCとその下のレンジのPCで20万円の差があったとします。予算の問題で安いPCを買って作業をすると、結局制作者は20万円以上の残業をすることにもなりかねません。一度に受けられるプロジェクトの数が減る可能性もあります。長い目で見れば、できるだけ高いスペックのPCを選ぶことが重要で、その調達方法としてPCサブスクリプションは有効です。
今は満足できる環境ができているので、余裕があるから新たに機能を足そうといった発想ができるようになっており、表現の幅を広げることにつながっています。

――サードウェーブのサービスはいかがですか。
今のところ不具合が一切起きていないので、サポートは受けていません。納品に関しては、こういうハイスペックマシンは数カ月かかることもありますが、サードウェーブはお願いしてから2~3週間で届くのでかなり速く、満足しています。
『攻殻機動隊展 Ghost and the Shell』の没入体験を支える技術
5K映像をスムーズに動かす10台の「GALLERIA」
――「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」での展示について教えてください。
「攻殻機動隊展」は2026年1月30日から4月5日まで、東京の虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階にあるTOKYO NODE GALLERYで開催されました。攻殻機動隊展の製作委員会が主体となって運営されましたが、当社は単なるコンテンツの下請けではなく、名前も出していただいて一緒に作っていきました。当社が制作したのは巨大電脳ネットワークビジュアライザー “Nerve Net”というイマーシブコンテンツです。来場者が自由に触れる端末を8台用意し、自分が見たいシーンなどを表示できます。それが空間全体にも連携され、操作していない人も楽しめます。作品のコンセプトとひも付いたインタラクティブな体験によって、その世界観を体感いただきました。夜には東京の夜景を同時に見ることができ、攻殻機動隊の電脳空間と相まってリアルとフィクションが織り交ざる空間を楽しむことができました。
この没入体験を実現するため、いわゆる映像制作ではなく、実際にネットワークアプリケーションを作成しました。作品中に登場する情報をデータベース化し、それを立体の空間に表現しました。
――サードウェーブのGALLERIAは「攻殻機動隊展」に協賛していますが、松山様が紹介してくださったと聞きました。
このようなアプリケーションをスムーズに動かすためには、単に映像を再生させるだけの機材があっても実現できません。しかしながら、展覧会のためだけに、10台もの高性能デスクトップPCを用意するのは難しいという制約がありました。
また、自社の開発環境と会場の機材が同等だとやりやすいこともあって、サードウェーブにお声かけし協賛いただくことができました。会場では個人コンソールで5Kの映像を表示するアプリケーションを動かすために、社内の開発用機材と同等スペックの「GALLERIA XMC9A-R59-GD」を10台利用しています。
協賛が難しかった場合、短期のPCレンタルをお願いしようという話はしていました。今回は利用しませんでしたが、割高になるものの短期での契約も可能とのことなので、必要とする企業も多くあると思います。

映像とテクノロジーが結びつく未来
全身で体感する「高度なイマーシブ体験」の実現へ
――今後の展望を教えてください。
今年もいろいろと案件が入っています。リアルタイム性の高いインタラクティブなイマーシブコンテンツが多くなります。攻殻機動隊展のアプリケーションもそうですが、空間全体が映像に包まれて、それを全身で体感するような高度なイマーシブな体験を実現していくことが必須の時代になってきていて、それを実現するには映像とテクノロジーが結びつく必要があります。
アートにも力を入れています。「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」のスタートに合わせて、同じ場所の別のフロアで「TOKYO PROTOTYPE」というイベントが3日間開催されたのですが、そこで華道家元池坊とコラボレーションをしました。今回は自主制作ですが、今後形なきデジタルアートをいかにコンテンツ化し、マーケットに載せていくかに取り組んでいきます。
このようなコンテンツの制作や再生には、やはり高性能なGPUと大量のメモリーを搭載した高性能PCが必要です。その調達に、これからもサードウェーブのPCサブスクリプションを活用していきます。

導入機器紹介
raytrek 4CZ59(現:THIRDWAVE BL-C9K59A-02B)
OS:Windows 11 Pro
CPU:Core Ultra 9 285K
グラフィック:GeForce RTX 5090 32GB
メモリー:32GBメモリー DDR5
ストレージ:1TB Gen4 SSD
CPUにインテルCore Ultra 9 285、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 5090 32GBを搭載したビジネスプロフェッショナル向け高性能デスクトップPC。リアルタイムレンダリングでの画質が大幅に向上し作業効率が向上。AI演算能力も向上し映像制作やAI開発に。
PCサブスクリプション
1. 希望の時期に希望機種へ変更可能初回導入から12カ月以上利用すると、任意のタイミングで機器を変更可能。「スペックを上げたい」「現行機種にしたい」等、希望に合わせて変更OK。
2. 希望の仕様で構成をカスタマイズ可能
ベーシックな事務用のノートPCから、高性能なデスクトップPCまで、業務内容にあったスペックを選択可能。
3. PC故障時に代替機をお届け
PCに不具合が発生した場合は代替機を先出しセンドバック。到着までがスピーディーで業務を止めない。
サードウェーブ法人パソコンレンタル
BTOメーカーだから希望のPCをご用意可能! イベントなどの短期利用、代替機、固定資産削減におすすめ。最短3営業日で出荷。
攻殻機動隊展 Ghost and the Shell

「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」は、劇場アニメ公開30周年を記念した全アニメシリーズ横断の史上初の大規模展覧会。1600点超の貴重なアーカイブ展示やインタラクティブな体験型コンテンツを、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階 TOKYO NODE GALLERYで展開した(2026年1月30日~4月5日)。
コンシューマー向けブランドGALLERIAは、GALLERIA XMC9A-R59-GDを10台機材協賛した。

©1995士郎正宗/講談社・バンダイビジュアル・MANGA ENTERTAINMENT
©士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展Ghost and the Shell製作委員会
導入企業紹介
enigma
Webサイト:https://eni-gma.com/
2023年設立。「1万年残るものを作る」をミッションに、デジタルアートイノベーション事業を手がけている。先端技術を駆使したデジタルアート、アートインスタレーションや没入型(イマーシブ)体験の提供、リアルとバーチャルを連動させた展覧会やイベントの企画・運営などを行っている。
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